『PRIMARY COLORS』 無限の形容詞を持つ女優
2006年の12月、2度目の別れのクリスマスからあっという間に時は過ぎ。
私生活も慌しくて気付けば新緑の季節を迎えていました。
ついについにやってきた。
あの人と再会する日がやってきた。
という訳で女優、朝海ひかるの初舞台『PRIMARY COLORS』を観てまいりました。
テアトルは『スウィート・チャリティ』以来だけどここは後方でも段差があるので結構見やすくて好き。
そんな劇場でまず驚いたこと。
@公演グッズ売場の真向かいにコムFC専用グッズ売場が設けてあった。
もう公式になったからいいけど、思いっきり宝塚時代のFCそのままで微妙な気持ちに。
黙認してるけどFCって一応宝塚ではNGなんだもんね(by小林一三)
それでも作られてるグッズはすごい立派でした。
パリでの写真集とか普通に装丁が可愛くて欲しかったんですが…お値段がね(涙)
すごすごと公演パンフだけゲットしました。
クリアファイルを見てたら売り子さんに「見開きタイプで会社でも使えます」と言われたけど
流石に会社は無理です、お姉さん…
Aロビーをうろうろしてたら正塚先生と遭遇。
相変わらずダンディでした。あの人ぜったいモノクロでちょっとラフな服装よね。
【ACT 1】
一部はミュージカルタイプのお芝居な構成。
これがなかなか面白い。
コムちゃんが朝海ひかるを演じている訳ではないけれど(舞台上で一度も名前を名乗ってないので)
明らかにそうだろうと思わせる設定。
始まりは開演前のウォーミングアップ。
ダンスのグループにも、歌のグループにも馴染めない自分。
何処か今までと違う世界に戸惑う。
宝塚の男役として頑張ってきた自分、そしてこれから女優として頑張っていこうとする自分。
自分の中で二つの性が葛藤する。
本当の自分とは一体何か。
自分は一体何がしたいのか。
新たなスタートまでのわずかな時間まで、彼女は自分と向き合い自分探しの旅に出る。
時間は巻き戻り、舞台まであと一週間。
男役としての自分を中川賢さんが、女性としての自分を園田弥生さんが演じてらして、
その間に挟まれてるのが本人のコムちゃん。
初めは二つの性が衝突して当の本人はなだめてばかりで全然先に進めない。
次第に幼い頃の記憶を思い出す。
ただ純粋に踊る事が好きで、世界はそれだけに染まっていたあの頃。
女優という概念や今の自分の立場などには囚われず、単純に好きなことを追求しよう。
それが本当の自分がしたいこと。
舞台まであとわずか。友達が来てくれても落ち着かない気持ち。
すると突然男役としての自分が恋愛の話を始める。
色々な恋愛を舞台上で経験してきた。けれど女性としての恋愛は…
ここで『Romance de Paris』『銀の狼』の2つの世界が交互に広がる。
男役で培ってきたものもあった。
あの格好良さは失くさないで、これからは大人の女優として純粋に好きだったものを追いかけよう。
このスタンスが本当の自分。
そして彼女は自分にしか出せない表現で舞台(時間は繋がり、ウォーミングアップ)を成功させる。
出だしに戻った彼女にはもう二人の性も、迷いの顔も見えない。
チームとも一つになって舞台の成功だけを信じて新たなステージへ。
(ウォーミングアップに力を入れすぎたという設定で休憩へ)
二つの自分との葛藤、そしてどちらの自分も受け入れるという案外ベタな展開でも面白かったのは
コムちゃん自身を見てるようだったから。
おそらくどの主演男役もこの葛藤があるんだと思います。
踊る事がただ好きだった→男役主演に向けて、それだけでいかなくなった
→いつの間にか忘れてしまった純粋な気持ち→Re startな今、再び始めよう
という彼女の前向きなメッセージが心に突き刺さってきて。
その気持ち隠そうとせず、作品という形で演じてしまった彼女の心の強さにまた胸を打たれました。
○久しぶりに男役の声を聞いてときめいてしまってゴメンナサイ。
○あの体のしなやかさは健在で、本当に瞳を奪われる表現力の持ち主。
足先手先から頭の上まで見逃せないダンサーは初めてです。コムちゃんの筋肉に会いたい(おいこら)
○主題歌の歌詞もメロディも心に響くもので…特に全員のハーモニーが秀逸でした。
特に男性ボーカルの角川さん、顔も歌声も甘くて至福。
○コムちゃん主演の正塚作品を二つも間に入れるなんて洒落てる!ちょっとオギー風味?
○何も出来ないからとりあえず寝ようとするのが可愛い、寝る子は育つよ(ぇ)
【ACT 2】
二部は朝海ひかるとして、歌あり踊りありのショー構成。
登場から黒で細身のロングドレス(後ろの大きめなリボンが可愛い)に扇!
上品で格好良くて優雅に舞い歌う姿にハートをズッキュン。
ショートヘアをペタリとさせた感じは『ゴールデン・ステップス』のグラン・ブルーの場面を彷彿とさせます。
ちょっと高音部で英語の歌詞を歌われると、こそばゆくなってくるんですが…
これは絶対TCAスペシャルのマイケル・ジャクソンのせいだ(爆)
ブリちゃんの曲は案外合ってたと思います。洋楽の方が大人っぽくて格好良いところがあるもんね。
しっとりと歌った後で、コムちゃんは舞台上で超ミニスカートに変身。
いやぁ、ほそーー(カモシカとはよく言ったもんだ)
‘Venus’はミニなのにガンガン踊ってて、クールアダルトな印象。
その後はコムちゃんの挨拶。ちょっと声が高めになった気もします。
「皆様、こんばんは〜」と呼びかけたのですが、声が小さかったようで顔をぶんぶんと振って
もう一度聞いてきました。たまに行動が小動物みたいなんだよなぁ。
退団後の現状を「変わったような、変わってないような」と言った時、前の席で何やらつっこまれた模様。
どうやら「いっつも同じ事いってるじゃん」と言われたらしい…
誰?誰?と思ったら、周りのざわざわで星組のトウコが観劇していたことが発覚!It's ゴージャス!
まさかここで二人の掛け合い漫才が見られるとは思ってもなかったです。
その後「言われちゃった〜 ねぇ、○○さん」とバンドの方に助けを求めるコムちゃんが、
めちゃんこ可愛いかったー
「今回はこんな(ミニの)衣装も着させてもらいました♪」とバービー人形のようにくるりと周っちゃうし。
ナンダ、あの天然な可愛らしさは…
その後、『PRIMARY COLORS』の説明をして、あらゆる色の集合体である虹にかけて
‘Over The Rainbow〜Kom special〜’をメンバーと熱唱。
黒のミニスカ×ステッキ、が格好良いです。ちょっと『CHICAGO』『キャバレー』みたいな感覚。
個人的にあの曲は大好きなんですが、今回はポップにアレンジされた感じでした。
でもかえって、これからの前向きな前進のようで今の彼女にピッタリで。
ここのハーモニーも美しく、明るいのに涙が流れそうな感じ。
途中で着替えた赤いスーツが細身の彼女によく似合ってた。
次はちょっと吃驚の客席参加型ポスターゲット大会。
ただのショーやトークで終らないサービス精神が愛しい。
コムちゃんからだされるお題にクリアした人のみサイン入りポスターをゲットできる、というもので
今日のお題は「一週間以内に海外に行って帰ってきた方」
ちらほらと手が上がる中でお一方、前方で手をビシッ!と綺麗に挙げてる超目立った人が(苦笑)
もしや…と思ったら案の定トウコでした。
初めは適度にあしらってたコムちゃんから「いいよ、欲しいなら立てばいいじゃん」と言われ
嬉しそうに立つトウコ(本当に立つんだ!)
そこでピンスポまであたって会場全体にご紹介されました。
しかもそれで終らないのが、さすがだんご3兄弟の長男。
人数多数のじゃんけん大会ではなんと順調に勝ち進み。
(勝利の度に低めの通る声で「勝った!」とガッツポーズ)
ついにはポスターをゲットされたよ、あの方……
ナニアノジェンヌ…オフなのにすげー面白い。
因みに何処に行ったの?と言われて、堂々と「カリブです!」と言い切ってた。
お手伝いの角川さんは真に受けて「いいですねぇ〜」とボケてました(コムちゃんから説明を受ける)
席番を伝えるのも宝塚受験の子みたいに「○列×番です!!」と明瞭快活で。
最後の最後で「え、本当にいいの?」と一応聞くトウコ(おい、何を今更)
コムちゃんも「いいよ、正当に勝ったんだし…って正当じゃないか…」とぼそぼそ呟いてましたが、
もう二人の掛け合い漫才を見せてもらっただけで満足なので盛大な拍手で差し上げました。
本当に会場全体に笑いの台風が吹き荒れてました。
あのコーナーが正直一番盛り上がってたなぁ…
だんご3兄弟の絆は永遠だと確信させてくれたエピソード。
ラストは再びしっとり系を歌い上げて、終了。
アンコールは主題歌でした。
わずか2時間余りなひとときの空間。
だけどタイトル通り、あらゆる色の彼女を観る事が出来ました。
(後半のショー部分がちょっと物足りない気もしたけど)
スタイリッシュで男らしい姿も彼女で、コケティッシュで可愛らしい姿も彼女。
そんな彼女につけられる形容詞はおそらく無限なんだと思います。
いつまでもあらゆる表現力でファンを虜にする。
その果てのない姿勢が努力によるのか、天性のものなのかは判断できないけど、
私はそんな無限の彼女が大好きなのです。
宝塚を卒業した後の公演でこのような感覚を得ることが出来て、よかった。
今まで私は男役の朝海ひかるが好きなのだろうか、と思ってたから。
でもそうじゃない、私はただの朝海ひかるという人物の無限な所に惹かれていたんだ。
願望が確信に変わった時、彼女はもう次のステージに向けて新たな形容詞を生み出していくのだろう。
次に会うときにはどのようになっているのか、
そんな未来を楽しみにさせてくれる公演『PRIMARY COLORS』でした。