Madama Butterfly

『アルバトロス、南へ』 南のあの海へ 人魚に出会うため


ついに、ついに来てしまいました。朝海氏見送りイベント(?)的公演『アルバトロス』
荻田先生の溢れる愛情に包まれたこの公演。
今回は【世界観】【生徒別】と分けてます。
世界観が異常に長かったので、生徒別感想はサラリといきます。

【朝海ひかる】
彼女に関してはアルバトロスとして散々語ったのでいいか…な気もしますが(溺愛表現になりがちだし)
ダンスはその華奢な体のどこに力を蓄えているのか謎な程色々な表現をしてらして、ただただ感嘆。
クラシックが基礎として入っているのは踊りを見ていて分かるけど、
スーツの場面等で程よく崩して踊る姿も似合ってて、全て見ていて心地良い。
歌もお披露目時代とはうってかわって上手になって…(感涙)
こんなに安定して歌えるようになるとはあの時思ってなかったです、正直。
改めて‘努力の人’なんだという事を見せてくれた気がします。
でも全体を通して一番印象的だったのは瞳。
目を大きくして、にこやかにおどける姿とか鳥群舞の凍てつくような鋭い眼光とか、
今思えば瞳の変化が一番記憶に残っているんですよね。
こんなにまでくるくる表情が変えられる人だったんだーと、今更ながら。
今までコムちゃんで瞳という印象はなかったので退団前の意外な一面をのぞけた気がします。
コメディのジタバタ加減とアダルトな片目ウィンクは私の一生の宝物(←馬鹿)

【有沙美帆】
アダルティな有沙姐さん。やはり一番はアンナとマリー(一応ルドルフの相手役だから)のお芝居。
母性的愛で包み込む温かさや優しさが全身から滲み出ててすごく綺麗。
「このまま貴方と行けたら…夢のよう」の台詞も心から大切に言ってる気がしました。
その時の表情が嬉しいような未来が恐ろしいような、何とも言えぬ顔で印象大。
こういうしっとり系の女役さんって雪組っぽいなと思います。3歩後ろで待つ、見たいな(?)
かと思いきやアホウドリとして「お待たせ〜♪」と来る所はやけにキュートで胸つかまれたり。

【未来優希】
毎回の事ですが…この人宝塚の世界だけじゃ惜しすぎる(辞めてほしいという訳じゃなく)
あの独特な美声、声量、迫力…最近の男役シンガーの中でも芸達者の域に突入してます。
男としか見えない(爆)メール夫人に笑わせられたと思ったら、「Holiday」で泣かせるぐらい
澄み切った美しい歌声を聴かせてくれるし。
ああホント、歌の記憶しかないなぁ(サーカス支配人とかも印象的でしたけど)

【天勢いづる】
可愛いんだけど、可愛いんだけど!…やはり細いなぁ。
それでも幾らかふっくら(顔とか)娘役らしくなってきたのでその内慣れそうな気もします。
いづるんのブリーザも似合ってたけど唯一あの解釈だけが受け入れられなかった。
ブリーザって二人の男の間で揺れる心情が複雑、というイメージだったんだけど
いづるんは初めから一人の男しか見てないような表情なんですよね、それは笑顔で向かうような。
「ここは笑顔じゃなくて、もっと嬉しいような困るような複雑な表情しなきゃー」と内心思ったんですが
どうなんだろうな?演出的に仕方がないのかもしれない。

【音月桂】
男役が3人しかいない中で歌も、芝居もダンスもバランス良く活躍してたキム。
まだ研9だという事を忘れてました…何か若くから活躍しすぎて今の学年が分からない。
歌に伸びも出てきたし、ダンスも力強さは変わらないし、コメディジャンルも得意だし。
でも大人な男役2人を見て、力を抜く粋さはこれからだと思うので色々吸収してもらいたいなぁ
と思う今日この頃。『レ・コラージュ』のTabooの女はすごく頑張ってました…
あの筋肉のつき方は男役にもってこい(え)
その後のラテンダンスで、ものすごいキュートなスマイルをするのには反則です。

【麻樹ゆめみ】
『パッサージュ』の夢のかけらを歌われた時、劇場全体の空気がガラリと変わったような気がして
空気を動かせるシンガーさんなんだと実感。
大人っぽい印象を持っていたので(凱旋門とか雰囲気良かったし)ドタバタコメディ(?)で
キムの恋人役として出てきたのはちょっと意外。
ハマコメール夫人に場を取られても隅でちょこまかとお芝居しているのが可愛らしかったです。
彫像にキスする時「チュッ」と音が入っていたのはゆめみ嬢だけでしたよ(ニマニマ)

【舞咲りん】
目がパッチリですごく可愛くて、大人でジャジーな歌い方も出来るのにどこかコメディに走っちゃうヒメ嬢。
デパートメントストアの店員のリアクションがやけにオーバーでオバサンっぽかったり。
そんな雪組体育会系の匂いがする彼女が大好きですよ。
その割に色気がある所も高ポイント。ヴィーナスも波止場の女の子もそこはかとない甘エロティック。
上品な色気を漂わす五峰さん(元雪組)とは対照的。←何言ってんだか


中堅以上の生徒という強味は、すでにそれぞれが確立して持っている個性。
反発しあわず、けど融合する事もなく協調という形で作り上げられた舞台。
少人数なのにどこを見逃しても勿体無い、という公演だったのはそんな生徒達の類いまれなる努力の
日々の積み重ねによるもの。
演出家に感謝する以上に、生徒達に感謝と拍手という名の花束を。

2006.7/16.17.19