Madama Butterfly

『THE LAST PARTY』(宙組)  Dear...


2006年の宝塚初め。
一月は諸事情で忙しく無観劇(ある意味奇跡)
やっと解禁となった所で観たのは宙組青年館公演「THE LAST PARTY」です。

2004年にバウのみで上演された景子先生作品。
この時、宝塚にまで観に行った友に「絶対mahinaが好きそうな作品だよ〜」と言われ
早くスカステでやらんものかとジタバタしてたら東京でやってくれちゃいました。

観てみてまず感じたのは景子先生の作品にかける情熱のようなもの。
すごく力(または愛)を注いで作った作品なんだなと。
いや、他の先生も愛を感じない訳じゃないですよ。でも注ぎ方が半端ない気がする。
脚本を書き上げる段階である程度満足するだろう愛情が、この作品は舞台の隅々にまで
見せられたこだわりがひしひしと感じて、そこが見る側としてはとても嬉しかった。
舞台全体を英字新聞のような壁紙で包む手法。
時の移り変わり(年代・場所)やスコット・フィッツジェラルドの代表作を
スクリーンや舞台の壁に写りださせる斬新な方法。
主役(大和)を殆ど出ずっぱりさせ、大きな舞台転換なく進む演出。
細部の細かな小道具(その大半が飾り用ではなく実際用いる)
言葉は悪いけど小劇場でそこまでこだわる?と思ってしまうほど。
でもこういう所がああ、景子先生だとも思える。
細部まで緻密なまでの計算が舞台上に成されてる景子先生作品は、私には視覚的にすでに成功で。
それは「プティジャルダン」「パレルモ」「アンナカレーニナ」にも言える事で。
女性演出家ゆえの繊細な演出が垣間見れる景子先生作品。
演出家男世界だった宝塚のこれからになくてはならない若手(一応ね)だと思います。

なんか景子先生語りになってる…?
作品としては、15人の演者がスコットの最後の一日がどうであったのかを再現するという形式。
だから配役も出演者の名前から取ったり(例:大和→YAMATO役)と面白い演出です。

スコットの一生を演じつつ、一番の基盤となるのが妻ゼルダとの関係。
これがすごく切なくて良かった。
お互いに好きあって、スコットの文壇成功と共に結婚をする二人。
スコットはゼルダを愛し、仕事をしてお金を稼ぐのも全ては彼女を美しくさせる為。
ゼルダももちろんスコットを愛している。けれど彼は自分の為とは言え仕事ばかり。
自分には彼を愛すというかっこたる物があるけど、それ以外には何もない。
邪魔はしたくないけど、仕事に彼を奪われたような感覚。
それ故に過ち(不倫なんですかね?)を犯してしまうゼルダ。
スコットにも知られた時点でジ・エンドな感じがしました。
そういうゼルダの精神の不安定さがよく現れてて。
それゆえに破滅に向かう姿も痛々しい程描かれてて。
好き過ぎた(そして時代の人になった)から崩れてしまった二人の愛。
一幕ラストに向かって描かれる二人の愛の崩壊は、1920年代の好景気→世界大恐慌に移り変わる
アメリカの崩壊とうまくリンクしててこの演出が上手いです。

女性と言えばスコットを支えたもう一人の女性、シーラ(五峰)
彼女にも大きな愛を感じました。
スコットが彼女を見る目はゼルダの時と全然違うのよね。
ゼルダをスコットが守ったのであれば、シーラは逆に甘えられる存在で。
それこそ舞台上でも冗談でママって言ってるけどホント、母性愛の塊のような人。
弱みを見せられるってスコットにとってすごい嬉しい事だと思います。
シーラ去り際に手を掴む時のスコットの表情がとても頼りなげで。
大切なものを逃したくないみたいな感じで。
心から信頼して気を許しているんだと分かりました。
あのタニスコットの表情にやられたmahina(笑)

後はスコットとアーネストの関係。
舞台上で二人は似てる、と言ってたのが初めは分からなかったんです。
私にはむしろ対比のような関係だと思ってたから。
夢々しくイーハトーブ的印象のスコットに現実的で力強い印象のアーネスト。
でも最後の「二人とも弱い部分があった」という所で少し納得。
アーネストの事が細かく描かれてないのはちょっと残念なんだけど、
弱さを周りに上手く伝えられたのがスコットで一人でウチに籠めてしまうのがアーネスト。
その程度の違いだったんだと。
だからこそアーネストはスコットが羨ましかったんだとも思えます。
ウチに籠めてしまうから最後には自殺という道を進んでしまったんだと思います。
アーネストが辿った道も、それはそれで切ない。

最後も印象的でした。
スコットが心臓発作を起こして倒れるまであと1分。
ここで芝居を続けようとするYAMATO。
でも普通に倒れて終わり、ではなくあえて演じないで終わらせる。
彼は最後に何を思ったのか…その判断も曖昧にさせておいて。
赤いバラを一輪、机に置いて立ち去るYAMATO。
ピンライトが当てられたバラに後ろのスクリーンにはゼルダとの写真が映る。
何も言わなくても、答えを探そうとも思わない。
それぞれが心で感じる、そのなんとなくなものが正解なんだと思ったら。
じわじわと感動してきました。
私はやっぱり自分の作品(華麗なるギャツビー、夜はやさし、ラストタイフーン等)と
何よりゼルダだったんではないかと(もちろん娘のスコッティも)
1幕で見せた愛の崩壊は単なる見た目の問題で、精神的にはあれからもずっと繋がってた筈。
じゃないとゼルダの入院費もスコッティの養育費も出さないでしょう。

アル中で家族とも離れ離れで、一人死んでいったスコット。
でも後世に名を残し、舞台にもなった。
誰よりも家族を愛し、ゼルダを愛した。
そして今や皆に愛されてる存在になった。
それだけで充分素敵な人生ではないかと(スコットに対し)思えてしまうのです。

支離滅裂感想(ダメじゃん)が続いた所で後は印象に残った事(生徒)を箇条書き。

■時代背景が好きです、単純に。あの当時の服も可愛い。
■始まる前から微かに流れるJAZZも素敵♪お洒落です。
■2幕スタートで客電がついてるのに舞台に出てくる役者陣。
 滅多にない演出でこういうのも好きです。
■好景気で浮かれるアメリカ人達の浮かれ具合が良い意味で空虚で退廃的でゾクっとしました。
 空白な成功には大いなる代償がくるものです…
 それを暗示しているようで、あの演出最高だなぁ。
■るいちゃん、超好演!フラッパーガールぶりもキュートな女王様だし、
 その後の精神崩壊への演技もお見事。やっぱり崩れゆく人って好きだ…
■美郷さんのマックス編集長。すごく人柄の優しさが滲み出てて最後のスコット
 にささげる歌を歌い始める所で涙出そうに。
■我らが七央さんはゼルダの浮気相手の将校。すごい!2枚目です…(笑)
 見慣れなくてき・きまずかった(おい)いやいや、普通に格好良かったです。
 スタイルがいいもんで将校姿も様になってました。
 手の甲にキスはいいとしても、まさか手のひらにまでキスしちゃうとは(焦)
 手のひらキス→懇願のキス、だから合ってるけど…なんであんなに場所が違う
 だけでエロティックなんだ!(こら)って言うかあんなおいしい役そうないよなぁ。
 よほど景子先生との相性が良い模様(プティジャルダンもおいしかった)
■夏さんは相変わらずスマートで格好いいです。何気にファン(笑)
 優しそうなお医者様だけど、ちょっと裏があるように見えるのは私だけ…?
■最後に書くのは杏ちゃんスコッティ!っホントにメロメロだなぁ〜(壊)
 あんなに白タイツが似合うジェンヌはいないですよ!
 タニパパと出会った時、ぐるっと回る際の足(地面に着かないように曲げてる)が可愛かった〜
 (細かすぎです)
 今年も杏ちゃん応援隊、頑張っていこうと思います(勝手にしなさい)
■そうそう、忘れてました。この公演って青年館で珍しく生演奏なんですよね。
 やはり生ピアノは録音と違ってリアルでダイナミックさがあるから好印象。

と、相変わらず好き勝手に書いてたらよく分からない文章になってしまいました。
2006年早々撃沈です、反省。
今年こそ上手くまとめられる文才を備えるように…頑張ります。
2006.2.3