『DAYTIME HUSTLER』 今日からここが愛の住み家だ
本日、雪組青年館公演『DAYTIME HUSTLER』を見てまいりました。
…こんなにときめくのはひさっびさかも…
いやぁ楽しかった!心から満喫です!!
宙公演の様な怒りも(作品内容)月公演のような悲しみも(さららん退団)なく、
明るく楽しく、ちょこっと泣けて曲もいい♪満足満足…な観劇でした。
東京がわずか4日間だけっていうのは惜しい事この上ない。
何故こんなに楽しめたのか。
一つに物語の面白さ。
最近、脚本の設定的問題作品が多い気がしていた中でこれは無理な設定もないし。
(おちこぼれ学校×カジノ建設問題×裏社会×幼馴染への嫉妬 でまぁ妥当かなと)
一つに豊富な音楽。
ミュージカルとまではいかないけどそれなりに歌が使われてて楽しいです。
そしてこの作品の成功要因は小池先生が生徒の持ち味を遺憾なく発揮させてくれるような
配役をした所にあると思います。
なんたってローレンス役のかしげがエスコートホスト(ハスラー)ですもの!!
かしげファンならずとも、宝塚ファンならこれだけでも見て損はない(はず)
副題の‘愛を売る男’の通り、殆どの娘役と絡んでいますが、どれも格好良くて…
また彼が甘い言葉を囁くんですよ!
タイトルの「これからは愛の住み家だ」なんてハスラーじゃない時に自宅でシルヴィアに
言ってますから…(それも一緒にクッション持ちながら)
その艶やかさってローレンスの持ち味なんだ、と実感。
何度ローレンスの言葉に顔が赤くなりそうになった事か(アワワ)
最後にローレンスとシルヴィアでこんなやりとりが(ちょっと違うかも)
(NYで仕事がなければハスラーをするさと言うローレンスに対してお願いがあると言うシルヴィア)
「NYで最初の客になるわ」
(にやっと笑って)「オーケイ、マダム」
(もう一つお願いがあるというシルヴィア)「私で最後の客にしてほしいの」
(真顔で)「分かった、これから愛を与えるのはお前だけだ」
か、かしげ? ぎゃぁぁぁ…恥ずかしい…でも格好良い!!
歯が浮くような言葉をさらっという所に惹かれるのか、皆様?
確かに格好良いけどね!
下ろされた長めの前髪の間から覗く切れ長の瞳が悩ましげで美しく。
生徒に対してはにかっと笑い、ハスラーの時は不敵な笑みをこぼす。
そして低く囁かれる言葉の数々…
こればやばい、やばいわ…(暴走中)かしげ最高だーーー!(壊)
かしげワンマン舞台と言ってもいい位、かしげの良さ(ナチュラル×色気)が出された作品でした。
個人的にツボな役だと思ったのはえりたん演じるヘイワード。
ローレンスとヘイワード、そして初恋の人であるメアリー・アン、この3人の関係性がすごく面白い。
ヘイワードは真面目で秀才で成功第一人間。
そんな彼が始めて味わった敗北がメアリーを友人のローレンスに奪われるという事。
メアリーが好きだったのに、後から来た奴に奪われた。
その敗北という事実から逃げだすかの様に社会的地位を高めていくヘイワード。
学校をつぶしてカジノを作ろうとしたのはもちろん政治成功の為でもあるけど、
一方で心の傷を(思い出の場所を無くす事で)埋めようとしているのかなと。
今はシルヴィアという婚約者がいるのに、また偶然ローレンスに会い彼女はローレンスに惹かれる。
過去と同じ繰り返し。
変わろうとした過去、でも何も変わらない現実。
心からシルヴィアを愛しているのに、その想いがうまく伝わらなくて。
社会的地位の獲得と愛情の板ばさみに苦悩した彼が最後に頼ったのはドラッグ。
そしてまた現実から逃げるヘイワードは成功人間のようで実は誰よりも弱かったんだなと思います。
でも弱いからこそ誰にも言えなかっただろうし。
「どうして誰も僕の愛を分かってくれないんだ」と言うヘイワードはこの上なく孤独に見えました。
孤独、と言うか疎外感とでも言うのかな?
学生時代3人仲良く遊んでいた関係性が少しずつ崩れていって。
ヘイワードとメアリーが想い合うようになってから確実になった疎外感を大人になっても
忘れる事が出来なかったのだろうと思う。
過去に縛られすぎてる彼がなんだかとっても悲しくて、可哀相で、でも愛しい。
こういう人って一度想うと実は誰よりも深く最後まで想い続けるんだろうなぁと思ったり。
この複雑な心境を読み取れたのも(勝手解釈だけど)えりたんの演技力あってこそだと思います。
その位(特に後半は)鬼気迫るものがあってすごかった。
ドラックのせいで狂っていくヘイワードだけどその狂気っぷりがすさまじくて。
えりたんって普通の2枚目よりはこういうちょっと屈折している役の方が似合うのかもしれない…
(ちょっとさららん寄り!?)
ヘイワードを過去に縛られてると書いたけど、もちろんローレンスも縛られてる。
メアリーと恋人になった後、彼女を(自分のせいで)亡くしてから恋をする事が出来なくなったし。
でも結局シルヴィアとラブラブになるのですが(なんせ愛の巣だし…恥)
私的にはいつローレンスがシルヴィアを好きになったのかいまいち良く分からなかったんですよね…
ヘイワードは自分が大富豪の娘だから婚約した、だから愛が無いと思ってるシルヴィアが
ローレンスの優しさに触れて好きになるのは分かるんだけど。
如何せんローレンスは長い間過去が忘れられなかったのにいつの間にかシルヴィアを好きになってるし。
おそらく「お金払うから愛を売って」「愛って何?愛って見えるの?」のやり取りの辺りから
気になりだしたと思うんですが…(見てる人しか分からん)
その辺りがよく分からなかったからローレンスがまた(メアリーに続いて)ヘイワードの彼女奪った!
と思っちゃったのかなぁ…(違)
でも、もしそうだとしてもかしげの色気には誰も勝てないもの。
仕方がないわよ、えりたん(だから違うって)
-
主要3人以外、周りも個性豊かで面白いっす。
■学園チーム(大人)
シスターの専科コンビは落ち着いてて素敵だぁ。
でも一原さんってすんごい久しぶりに見たような(88周年風共以来?)
理事長にわにわは研7なのに貫禄ありすぎ。目指せ未来のマリエさん。
■学園チーム(学生)
皆若い!(おい)可愛い!やんちゃ!
娘役は今回初めて愛加あゆ嬢をちゃんと見ました。やっぱり可愛いわ。
大月さゆ嬢は学生より回想のメアリーの方が良かった。
スカート丈短くて今時の女子高生なんだけどどこか清楚で素敵。
男役はラギラギとみずせちゃんしか分からず(涙)それ以外もかなり下級生な筈なのに、
男役としての声とか歌がちゃんと出来ててびっくり。
さすが優等生な雪組。
みんな今時な学生っぽくてどの子を見てても面白かったな。
■マダムチーム
かしげというハスラーを買うマダム達と言っても学生と兼用の娘もいるけど、
中でもりんちゃんのマダムっぷり(それもちょっと面白い方向で)には釘付け。
老婦人、パトリシア役の美穂姉さんはおばあちゃんなのにハスラーを買ったりして
茶目っ気たっぷりで可愛らしい。
倒れた後で車椅子姿でお腹から歌ってるし(それは仕方がないだろう)
パトリシアの過去の回想でかしげと少女時代のパトリシア(夢華あやり嬢)
が踊る場面が悲しい過去の歌と綺麗なダンスでが合ってて好きでした。
■悪巧みチーム
飛鳥組長×悠さん=悪巧み集団の出来上がり?(こら)
この二人のスーツ姿はいつも素敵でこんな悪なら染まりたい位惚れ惚れ。
特に悠さんはギャング(or裏組織)専科になってしまって欲しい位、
黒い役がお似合いになる。目指せ第二の矢吹翔兄貴。
■その他
ヘイワードの遊びの恋人だったキャロルは涼花リサ嬢が。
彼女も可哀相なんだけどね…所詮遊びだったとはよくある話で(爆)
弱みを握ったばっかりに殺されちゃうんだもんね…怖い世界。
リサちゃんはだいぶ目鼻立ちはっきりしてきて可愛らしくなった印象が。
やっぱりバウ主役という経験が人を大きくさせるのかな?
そしてハスラーを経営しているロレンツォの緒月。
彼のインパクトある登場のせいかは分からないけど出てきて拍手に
ちょっとびっくりです(かしげでもえりたんでもないのに)
ラテン系のロレンツォが緒月にぴったりで、はまり(過ぎな)役でした。
地毛を縛って前から見たらオールバックでイカツイし(笑)
図体でかくて威圧感(色んな意味で)ありありだし。
そしていつの間にか歌が安定してきているし。
ほんっと面白いなぁ…このまま大きく成長してね。
考えてみれば裏組織やスラム化、ドラッグ…と扱ってる内容は暗いのに
どこかで笑ってたり、ニヤニヤ(え)していたこの作品。
ピリリとした所と休ませる所のバランスがすごく良かったんでしょうね。
本当4日間だけって惜しい作品だわ。
かしげの魅力が最大限の作品なのに〜
とりあえず、数日間はかしげのハスラー姿を思い起こして幸せに生きられそうです。
ではでは長々と有難うございました。