『炎にくちづけを/ネオ・ヴォヤージュ』2 勝利のむなしさ
観劇ウィークの第一弾は『炎にくちづけを/ネオ・ボヤージュ』
今日も2階から温かい目で見てきました。
2階って全体見渡せるから何気に好き。
今回は特にお芝居が群集芝居で後ろの生徒が重ならないで見れるし。
前回見た時は世界観の批評もどきをしてしまって書いてて重く苦しくなったので
今日はそういう嫌な事省いて、思ったことだけ書いていく事にします。
まずお芝居から。
この中で一般的に可哀相に見えるのはもちろんマンリーコ(和央)だけど
私はルーナ伯爵(初風)が一番可哀相だなと。
だってマンリーコはレオノーラを死なせて、ジプシーという差別で火あぶりの刑を受けるけど
最後のあの微笑は「全てを許す」と言っているようでまだ救いのある感じ。
でもルーナ伯爵はただレオノーラが好きなだけなのに、彼女は見向きもしないし
(最後は裏切られもする)戦いに勝利しても虚しさが残るだけ(強者故の孤独)でしまいには
実の弟(=マンリーコ)を火あぶりにしてしまい、その事実を聞かされれた時点でこれからの人生を
後悔の念、罪悪感につつまれて生きなければならないし。
生きながらの地獄とはまさにこの事で。
この時代キリスト教全盛で全体がその考え方だったから彼自身は何も悪い事してないのに。
だから主人公のマンリーコに感情移入出来なくて周囲より泣けないのかも。
ガイチの演技がまた上手い。
この人は明るい役柄もいいけど実はちょっと陰のある、暗い感じの方が個人的に好き。
孤独ゆえの苦しみや妬みを声質や表情で的確に表現できる実力派さんだったなぁ…
(やっぱりやめるのやめない?)←やめません。
タカコの歌が熱入ってて思わずこちらもリキが入る。
牢獄の中でレオノーラが生きている喜びを歌う所は思いっきり『王家に捧ぐ歌』の二番煎じで
前回見た時は怒りすら覚えたんだけど、今日はあまりの熱唱に引き込まれた。
ジプシーチームは今日は和涼華のみに焦点を絞って見る。
そうすると前回感じなかったジプシー達の辛さ、可哀相な立場がちょっと共感出来たり。
シミコ演じるチェ(中国人みたい…笑)は母親思いの少年で、とにかくお母さん大好きっ子。
どこに行くにも母親の後を…って感じなのに、処刑の所ではちょっと大人顔で理不尽さに耐えてる。
ここでは男を見せるけど殺される番になった時に言った最後の言葉が「おかあさーん!」で…
チェは本当は死にたくなかったんだろうな。
まだ少年だし何となく理不尽さは分かってるかもしれないけど、どうして殺されなきゃならないのか
まで分かってないと思う。悲痛な叫びと共に伝わってくる喪失感が胸を打つ。
兵士達は案の定大して分からず(こら)だって皆同じ格好の群集芝居なんだもん。
中でもちょっと目を惹いたのが聖野花珠。
オールバックの髪に一本だけサイドに出しててそれがとっても格好いい。
嫌な感じじゃない、格好いい悪役って感じ。個性派さんなのになんでやめちゃうんだよ(涙)
レオノーラが毒を飲まなければマンリーコは火あぶりにされずにすんだし、
ルーナ伯爵も裏切られる思いをしないですんだのにね、なんて思ってしまったり。
(それじゃ物語にならん・汗)いや、マンリーコはそんな事望まないはずだからいいけどさ。
娘役たちは兵士以上にもっと分からなかった…修道女は髪型も隠れるし、見分けが難しい。
杏ちゃんもアリスちゃんですら発見出来ず。まだまだだな。
最後のストップモーションは思いっきり宗教色で深く考えるのは嫌いなんだけど、生徒達はすごい。
あの世界の終わりのような苦渋の表情には思わずぞくっとなります。
こういう表現はいいのか分からないけど宗教画みたい。
よく色んな辛い体勢と表情で止まってられるなぁ…(プロですから)
私が主人公(マンリーコ&レオノーラ)に感情移入できないもう一つの理由。
それはこの二人が絶対に正しいという立場にいるから。
その他のキリスト教徒達がいけない事をしたというはっきりとしたゆるぎないポジション分けが
受け入れられない。どうしてそうもはっきり線引き出来るのか。
曖昧なのが人間なのに。
つづいてショー。
全体的には好きな部類だと思います。プロローグ以外は(え?)
ショーもシミコを頑張って探す。プロローグでは歌手で歌う所を発見♪
期待のハロウィーン、今日は前髪が真っ直ぐおりてなくてちょっと斜め分けで大人度UP。
でも個人的にはオンザの方が可愛いかったな〜
まぁあの笑顔は犯罪級のものがあるので何でも許しちゃうけど(おい)
タップではタカコの後ろにいるのを発見。
帽子で顔が隠れてよく分からないけど楽しそうでした。
こうみると新公主役もしたからか結構活躍してて(フィナーレの燕尾群舞でも最前列だし)
嬉しい限りですねぇ…
七央さんがちょっと疲れてました。2回目だったしね、ガンバレ!
プロローグでも聖野花珠ちゃんを発見。やっぱり目立つ子だな〜
続いて退団同期の綾花ちかちゃんを発見。小柄でずっと可愛い感じだと思ってたけど
いつの間にか大人っぽくなっててちょっと驚き。
タップは最高!BGMのジャズも大好きなメロディばかりだし。
心踊り、血肉沸き躍る(表現違うから)スターの銀橋渡りもそれぞれ個性が出ててGood。
一番好きなのはあひちゃんとるいちゃんカップルの銀橋渡り。
幸せそうな笑顔で歌いながら最後は頬を寄せてポーズって所がmahina的ツボ。
二人とも幸せオーラ出すぎです!
あひちゃん=何かと不遇の若手男役だったけど(他組の同学年の生徒より経験値が低かったから)
今回はピックアップされてて。これだけで本当に良かったと思う。
るいちゃんとの銀橋渡りもそうだけど、プロローグのスターのみの銀橋行きに入ったし
パレードも一人降りで。今までのともちんペアの状態から少し昇格して喜ばしい限りです。
『ル・プティ・ジャルダン』効果絶大かな?
歌は鈴奈さんが今までの出雲さんポジションを見事に決めて素敵に開花。
この方、今回の風貌がちょっとシビさんに似てるような気がして。
もっと歌のスペシャリストになって下さい、密かに好きです。
若手だと音乃いずみちゃんが目立つかな?
彼女も新公主役した程、実力はあるからもっともっと頑張って欲しいな〜
フィナーレの階段を出す準備なのか知らないけど、その前に幕前で青い総タイツ(&羽)の踊りが
あるけどこれが思いっきり『ロマンチカ宝塚」』の青の精の衣装で。
ちょっと古傷えぐられる感じ。
ガイチの歌はマイナスイオンが出てる気がする位、私を癒してくれます。
フィナーレとパレードの歌でもうノックアウト。
ピアノマンの歌は『白昼の稲妻』の劇中劇、イアーゴを彷彿とさせてこれもまた良し。
ピアノマンと言えば、ここの場面でようやく杏ちゃんを発見(遅っ!)
やっぱり可愛かった〜癒された〜
あとは千秋楽を残すのみ。
ガイチ退団日&トップコンビの次回作退団決定で何かと動揺が走りそうな気がするけど、
ここはガイチのみに頭を切り替えてサヨナラモードで送り出したいと思います。
初サヨナラショーだし!涙ボロッボロでフィニッシュ!(意味不明)