Madama Butterfly

『銀の狼/ワンダーランド』(全ツ) 頼れるものは 自らの力だけでいい


久しぶりの宝塚観劇。ウキウキしながら前日寝たら。
大寝坊(最悪)
起きたらお昼前で、今日の公演は横浜で14時開演!
朝起きて血の気を引く思いは学生時代のバイトの時以来(笑)
バイトで培われた諦めない底力でマッハで用意して何とか開場時間には間に合ったのでした。

今日の作品は雪全ツ『銀の狼/ワンダーランド』
知らないうちに大評判のこの公演。
大人気公演で今日もサバキ待ちの方が沢山おられた程、チケット難。
見られて本当に幸せでした。
やっぱりコムメイツとしていった使命感は間違ってはなかった(はず)
ちょっと楽しかったのは一人で見に行った筈が、席のお隣の方々2人と少しお話をさせて頂いて
意気投合してしまった事。
それぞれコムファン、キムファンだけど一貫して雪組全体が好き、なので話が弾む×2。
開演前と幕間、帰る時も話しっぱなしで退屈してる暇がなかったほど。
お一人とは『ロマパリ』の新公で立ち見から見ていた共通点も知って吃驚。(自分も立ち見観劇)
こういう事(見ず知らずのお隣の方と気軽に話す)って宝塚ならではで、とても好きです。
好きなものは同じだからか御年配の方でも話やすくてほっとする。
あの時お話させていただいた方々、とっても楽しかったです〜(私信)

芝居の『銀の狼』
中学生位の頃、ビデオで月組初演を見たけどその時は内容の難しさにお手上げで
面白い感想もなかった作品。ただユリちゃんが素敵で見ていたような。
でもある程度の年齢になって見てみたら印象はガラット変わりました。
正塚作品特有の、ダークでワイルドでハードボイルドな世界観。
男役を格好良くみせる素敵な作品。

この作品のテーマは「孤独」かなと思います。
主人公のシルバは外科医だったがある事件をきっかけに妻と娘を殺されて
その記憶も失って、殺し屋として生きる今。
記憶が取り戻せた時には最愛の人はもういなく、敵に復讐しても何も残らない。
ミレイユはある事件に加わっていたけど詳しい事は夫に知らされてなく、
真実を知った今夫からも命を狙われ頼れる人はだれもいない。
その夫、ジャンルイはある事件の首謀者と言っていいけどその過ちを分かりつつも政治という
現実から逃げ出せないで、心から頼れるものはいなくて妻さえ見限ってしまう悲しい人。
シルバを殺し屋に仕立てたレイは元々殺人家業をしてて孤独なのは当然で、
それ以上に銀の狼の(殺し屋としての)才能に嫉妬している。

そんな孤独な人たちが主人公なこの作品。
彼らが今生きているのは裏切られた憎しみ、悲しみで。
そこからくる怒りという感情が彼らを動かしている。
これが人間の本来の生き方なのかもしれない、黒い感情がない人間なんていないのだから。
だから芝居のラストも他の作品のように明るくハッピーエンドではないです。
全ての復讐が終わりシルバとミレイユは二人で生きていく終わり方だけど、
そこに愛や恋という感情はなく。
信頼や守る気持ちはあっても決して馴れ合わない、そんな印象を受けました。
大人な作品というか、いかにも正塚先生らしい作品。
正塚作品は親切丁寧に多くを語ってくれる作品ではないので殆どが「ご自由に捉えて下さい」状態。
それ故に私はこう思いました。
一つ残念なのは正塚作品に多く出る盆周りの演出が不可能だったという事。
盆の演出がすごく好きなので期待してたんだけど流石に全国の会館使うから無理だったか。
あとは細かく見たままに…

コムちゃんの銀髪にノックアウト。ロングブーツという衣装のせいもあるけど
いつもよりすっと見えてクールな格好よさ健在!冷たい虚ろな目が似合う役者さん。

大人なミレイユまーちゃんが最高!孤独で悲しい女性を的確に演じてて素敵でした。
やっぱりまーちゃんは大人な女性の役の方が似合うと思うのよ(次回ロザリーだけどさ・汗)

殺し屋レイのミズ。相変わらず男前でクラックラ。こんなに艶のある声してたっけな?
一度声優してみたらいいよ(勝手に言うな)ミズが初演と一番感じが違うように思いました。
ユリちゃんはちょっと明るめでやんちゃな兄貴分的印象だったんだけど
ミズは完全に大人でニヒルな殺し屋に徹してました。
そのクールさがまたミズに似合うから困っちゃう。

ミレイユの夫ジャンルイのキムは新公卒業して中堅でこの大人な役。
荷が重いかと思いきや全然大丈夫だった、悪役だった、格好よかった(結局それかよ)
初演久世さんの大人でクールな悪役と違って、笑顔でちょっと悪巧みをしていて一癖ありそうな
(敵にしたくない)役柄に見えてキムの方が(役として)嫌だなぁと思えた程。
「実は好きなんだ」と言って無理矢理まーちゃんとキスする所はその強引さにドッキドキ。
食えない男だよ、お前は。

唯一のほんわかコンビ、警部トランティニアン&新聞記者ジャンヌ。
初演では若央りささんと紫ともさんがやられててこの掛け合いがすごく好きでした。
今回はかなめちゃんと愛さん。
学年的関係からかジャンヌに頭が上がらないトランティニアンが良く出てて面白かった。
かなめちゃんは端正な顔して意外と抜けてるようなおもしろキャラが似合うかもしれない。
…褒めてますよ。

娘役では早花まこちゃんがシルバを慕うシモーヌ役で抜擢に吃驚。
可愛いしお気に入り生徒だけどお芝居はもうちょっと頑張れ、な感じ。
山科さんは銀の狼に襲われたクローシェの娘だけど、あの人研7なのになんであんなに可愛いの?
永遠の子役専科?その位いつまでも若々しいのは素敵な事。

男役では芝居の後半から一人の下級生に目が行きっぱなし。
でもよく知らなかったので幕間に確認したら祐輝千寿ちゃんでした。
独特な髪型(パーマかな、あれ?)に悪そうな表情が下級生ながら格好良くて。
これからちょっと注目していきたいと思っていたり。

ショー『ワンダーランド』 これは前作と同じだけどやっぱり好きです。
オーソドックスなような、でもそれぞれの場面もしっかりあって個性的で。
とにかく曲が明るくて楽しめる、宝塚のショーはこうでなくっちゃという感じ。

オープニングからコムちゃんは客席から登場!皆怒涛のように驚いてました(当たり前だ)
今回の全ツは客席下りが多いのもポイント。
芝居でも2回あったしショーは3,4回あったような…私は3階で見たのでギリギリ見えたけど
1階席の人はもう心臓止まりそうな感じなんだろうなぁ (光悦)
でも突然出てくる度に客席が「おおーっ!」となるのは全ツならでは。
拍手も大劇より大音量でそんな温かい雰囲気がたまりません。

白鯨のレクイエム、白波の精が人数減って迫力が落ちたけどこれは仕方がなく。
でも歌は美穂姉さんのポジションを麻樹ゆめみさんがまかなっててここは問題なし。
麻樹さんもすっかり歌のプロフェッショナルになって嬉しい。
美穂姉さんと愛さんと3人で歌のセッションとかしてみたらいいのに。

カシゲがやってたカウボーイはかなめちゃんが役変わり。
若々しくて初々しくてとにかく可愛かった(男役に言う台詞か?)
カウガールも森咲かぐやちゃんと愛原実花ちゃんで初々しいし、微笑ましい一幕。
実花ちゃんはとにかく初舞台から可愛かった、注目娘役さんですね〜

クラシックメドレーはカシゲとえりたんが抜けた分、繰上げになってその結果、
最若手は大湖せしると蓮城まこと。
幕前で二人だけで歌うなんて全ツっぽくてGood!
「愛しすぎて愛されすぎた〜」の悩殺歌詞を歌うキムも格好良さ倍増。
キムは半開きの唇が色気maxでやばいです(どこ見てるんだ)悩殺される〜(馬鹿)
コマちゃんが娘役引き連れて歌う事になるとは…おいしすぎます、全ツ。
山科さんが娘役の中心にいたのも個人的に嬉しかったり。頑張ってるなぁ、山科さん。

アラビアコントはキムが担当。カシゲの時はその端正な顔立ちとやること(ギャグまがい)との
ギャップが楽しかったけどキムは見たまんまギャグをやってもありだな、と思えてしまう(こら)ので
これはこれで楽しい。

栄光の場面。相変わらず格好いいったら!
ハマコの歌唱力はもうすごすぎて宝塚の枠でおさまりきれない程。
海外で活躍してるボーカリストみたいに声量もケタ違いで上手い。
ハマコのディナーショーとか実際あったらすごそうだな…
全ツのみなのはここにマーちゃんが出てるという事。
それも他の娘役さんのようにスカートじゃなくて男役と同じ黒のパンツ姿で登場。
スラリと細身で格好いい!
やっぱりまーちゃんは踊ってる時が一番活き活きしてるかな。
ここだけでも見に来たかいがありました。
アダルトまーちゃん万歳♪

栄光でウキウキしてると突然キムが客席に!そして他に4人若手がさらに客席に!
ここで会場ヒートアップ!ジャニーズのコンサートかと思い違える位のノリでした。
本人達も微妙に意識してたら面白い(でもその位ジャニーズっぽかった)

フィーナーレの男祭り(違)微妙に目線がこっちにきたと思うだけでもう動悸が…
それ程男役がそれぞれの一番格好いい表情やらしぐさやらするもんだからオペラグラスを
どこにむけばいいのかわけ分からん状態。気付いたら終わってたよ(勿体ない)

全ツ恒例ご当地出身地紹介(笑)はかなめちゃんと沙月愛奈ちゃんでした。
愛奈ちゃんはお芝居でシルバの殺された娘をやってたような…
副組長に言われて控えめに手を振ってるその仕草が可愛かったです。
下級生で舞台の後ろにいる愛奈ちゃんがちゃんと見えるようにその前にいたキム達が
拍手しながらしゃがもうとしてて、その優しさに心がほぐれました。
そしてかなめちゃんは思いっきり照れているようでした(初々しいね!)


芝居は大人な世界を堪能しショーは単純に楽しんで。
雪組の全ての魅力を味わったようなバランスの良い、おいしい公演でした。
やっぱり雪組が好きです。見てて癒してくれる温かい組(他が冷たい訳じゃないですよ)
これでコムちゃんと会うのは来年か(遠いな)寂しいけど何事も辛抱しなきゃね。

2005.11.11