『エリザベート』(月組)1 黄泉への旅路
ついに見てきました。
急遽の観劇決定で、チケットを頂いたりドタバタしてたんですがようやく乗り越えての観劇。
待ちに待ちましたよ!
5組目+トップ退団公演+アサコ女役…と話題豊富(あえて話題作った感も否定できず…)のこのエリザ。
それに乗じて実は宝塚まで見に行ったのですが(王家&エリザ旅行)その時エリザに関しては
書かなかった(というか書き忘れてたんだけど)んですよね。
また東京でも見るだろうしまぁいいかと(おい)
今日の観劇は約2ヶ月ぶりの再会ですからそりゃ期待度も勝手に上がる上がる。
【ちょっとエリザ論】
mahinaのエリザベート歴は初演以来。
1996年雪組 1997年星組 1999年宙組 2003年花組ときて今回2005年に月組。
約10年間のブランクがあったのです。何故見なかったか。
星と宙時代は宝塚から離れていた、というのもあり花時代は宝塚にのめり込む復帰辺りだったので
チケットが上手く取れず。
あともしかしたら‘エリザベートは雪組のがベスト!他の組でなんか見たくない’
という気持ちが潜在的にあったのかもしれません。
それだけmahinaにとって初演のエリザベートは大打撃だったのです。
舞台の素晴らしさ、メロディで綴られる物語が当時はまだ珍しかった
(それも底抜けに楽しいブロードウェイミュージカルとは違う)ですからその衝撃。
‘ミルク’の場面は生まれて初めて舞台を見て鳥肌が立ちました。
基本的に明るい物語ではないんだけど悲劇ともとれなくてとにかく美しい。
‘死’という存在が主役だなんて今まで無かったですから。
それも悪魔、とも天使とも違うからなおさら。
またこれが実際にいた人物を絡めた物語だから歴史好きの私にとって、なお面白かったのかも。
また雪キャスティングも素晴らしくて。
一路トートは怖いぐらい綺麗で魅入ってしまう怖ろしさを持ち。
花總エリザは(当時)若いながら見事に演じきり(大人になった方が好きかも)
高嶺フランツは威厳の王様で凛々しく。
そしてトートに次いで目を奪われたのが轟ルキーニ。
夢の世界の宝塚の中で異色な(って作品自体も異色だけど)役回り。
アナーキリストで皇后殺人犯が舞台の進行をしている。
なんとも皮肉で面白い。またその狂喜さをトドが見事に表してたんですよね。
こんな経験をしてしまったら違う人がやってるのなんて見たくないと思ってしまったのかも。
で、ずっと雪エリザだけを(ビデオで)見続けて来たんですが今回の月組版。
写真を見ただけで「いける!」と確信。
何がいいってサエちゃん持ち味の中性感がトートという存在にはまったから。
トートは見た目は男ですがそれだからといって男と断定はしたくないのです。
男女の性別をも超越した存在、それが‘死’なのですから。
他のキャスティングが決まってから期待度はますます上がっていきました。
ガイチのフランツ…いいねぇ〜
きりやんのルキーニ…パッショネイトな男になりそう♪
ゆうひのルドルフ…屈折した感じが似合うな。
という訳で知らないうちにあんなに固着した雪エリザが離れていったのです、ただ一つの不安を除いて。
その不安とは…劇団側の爆弾とでも申しましょうか、アサコのエリザベートです。
確かにくららが退団してしまってどうするんだろうと思ってました。
私は勝手に「あいちゃんはまだ幼いだろうからやっぱりるいちゃんだろうな〜」
なんてタカを括ってたんですがアサコがやるとは。
確かにエリザベートは娘役という感じでは収まりません。
タイトルロールになってしまう位の存在感、強さが必要な役でもあります。
だからと言って男役で10数年きた人に突然与えるとは…この時は劇団の意図が全く見えない。
結果(mahina的には)大成功となるもののこの時の不安ったらなかったんですよ。
その不安がむしろ(怖いもの見たさのような)期待にも変わっていって今回の観劇に至る訳ですが。
えっと先に結果をババンと。
サエトート万歳。あなたとなら黄泉にいける(誘ってない)
ま、結論を言ってしまえば素晴らしかったんですよ。
何で私は今までの公演を生で見なかったんだろう、歯軋りして血が出る程(脚色有)後悔。
あのエリザの世界観はビデオだと50%以下にまで下がると思います。
舞台の空気、生の呼吸全てをひっくるめてエリザベートなのだと。
10年前、生雪エリザと同じような感覚に陥ったけどもちろん役者が違うから細かい印象は変わります。
だからと言ってその役の印象が大きく変わる事は無く(同じ役ですから当たり前なんですけど)
結局はエリザベートという作品がいいのだからどんな役者(ちょっと御幣があるかな)が
演じてもそれなりなものになるのであって、後は自分のその役者の相性によって
好き度が変化していくものなのだと思い直しました。
私は‘雪のエリザベート’が好きだったのではなく‘エリザベート’が好きだった。
こんな事が分かるのに約9年…ほんっとバカな事したなぁ(もっと早く気付けよ、自分)
この作品の良さは3時間という箱の中で動乱の時代のオーストリアをハプスブルグ家を用いて
上手く表現させている事。
ハプスブルグ=皇室ですから華やかに描けそうなものをあえて‘死’という負の存在を誇張して
時代の波に残され衰退していく皇室(宝塚版では面にエリザベートなんですけど)とリンクさせていく。
ここに面白さを感じます。
ハプスブルグ、と言えば一時期ほとんどのヨーロッパを支配したとも言える大王朝。
有名所でいけばマリーアントワネットやルードビッヒ狂王もこの一族。
彼らは婚姻政策でヨーロッパを支配していきました。
しかしそんな支配もフランス革命以後の民衆の力が表面化して言った辺りから陰りが見えてきます。
大王朝とはいえ時代の波には逆らえないのです。
私のハプスブルグの印象は栄えた時よりも衰退しつつある時の方が強いです。
それが何故なのかは分かりません。
衰退の道が誰もどこか謎めいていたりするからでしょうか。
ハプスブルグ、と言ったら陰のイメージが強いのです。
だからトートという存在もすっと受け入れられたし。
妖しいからこそ惹かれてしまう、そんなミュージカル。
根底に妖しさ故の美しさが流れているからまた素晴らしいのでしょう。
氷のような美しさでどこか退廃的。
日本で言ったら大正浪漫な印象が強いんですよね。
ってグダグダ作品に関して語っていても仕方がない!
そろそろキャスト話に参りますか…と言ってもどの場面も、どのキャストもいいのです。
だから今回は一幕ごとに語っちゃおうかなと(笑)
きっとすごく長くなりますね…書けるのか?(爆)
【ACT1】
第1場 プロローグ
この出だしが素晴らしい。
突然のルキーニの登場で一気にエリザ世界に引き込まれてしまうんだから。
ここは死後の世界だから皆亡霊で自分の言いたい事を言ってます。
ぼろきれ(失礼)をまとって数十年もさまよい歩いた感を出してます。
よぉーく見ると皆生気のない顔をしてるんですよ!
そんな所でも‘ああずっと何かに囚われて彷徨ってるんだな’という印象を受けます。
特に(贔屓だから見てしまうんだけど)さららんの表情は絶品!
あの‘無’な感じは素晴らしいです。
目は見開いてるんだけど焦点が定まってなくて虚ろそのもの。
そして亡霊達が平伏す相手こそ黄泉の帝王‘トート’
この登場もカッコイイ!ライトの点滅が稲妻のようでより雄雄しい感じかな?
なのに登場するサエコトートはナルシストのように甘く誘惑する表情をするもんだからもうズキュン。
そう言えばルキーニはイタリア人なんですけど今までの中で(星と花は見てないんだけど)
一番らしく見えましたね。
あれほど衝撃を受けたトドはイタリア人にしてはちょっと小粋な感じがするかな〜(もしくは乱雑)
カラっと明るく悪びれる様子も無く可笑しくもないのに笑う感じがイタリア人特有の明るさに
繋がってたかな。台詞回しもイタリア人っぽいのかも。
第2場 ポッセンホーフェン城
有名なエリザベートの肖像から飛び出してくるシシィ。
この瞬間から(ルキーニの)裁判劇が始まるという良い切り替えしで好きです。
ここの場面は父と娘の絆を見る事が出来ます。
本当にシシィはパパ好きでそれに輪をかけてパパもシシィが大好きなんだなと思います。
だって星原先輩のアサコを見る目が(ここだけじゃないけど)優しいんですもん。
でもどこかいたずらっ子の様な目をする時がある。
この2人の関係は親子のようで同じものを持った同志のようです。
だからこそ後々のシシィの結婚場面が痛く感じちゃうんですけどね。
さらに言うと家庭教師の憧花ゆりのちゃんの顔もmahina好みです(関係ない)
第3場 シュタルンベルグ湖畔
ここは何といっても組長の頑張りが微笑ましい。
大劇場で見た時は歌がちょっと…だったんですがそれがどうして上手くなってましたよ。
さすが組長になるだけはあるんだなと(変な感心)
組長ルドヴィカはどっちかと言うと男顔で、教育ママな感じがします。
良い子だったヘレネはその教育を受け母好みの娘になったんだんでしょうね。
長女が良い子だと下の子は意識もされませんからそりゃ放任されるわ(笑)
東京でしか気付かなかったんですけど実は親戚の方々、ゴージャスな面々だったんですね。
嘉月さんとか(まだ微妙に分からなかったり)越乃さんとかお瀧さんとか。
椎名さんがいたのにはびっくりしました。
そしてスカステフェアリーの夏月都ちゃんは弟…まるまるっと(失礼)可愛いかったです。
それにしてもこの辺りのアサコ、まじで可愛いな。
お転婆で自由奔放で子犬みたい(だから落ちちゃうんだよ)
第4場 冥界〜シシィの部屋
トートとシシィが初めて出会う瞬間。
アサコの表情がとにかく必死で可愛い。
(もうアサコに可愛いって表現もどうかと思うんですが←いや、一応男役だし)
目見開いて(驚いてるんですよ)必死とトートを見る。その一途さに惚れたのかなぁ?
トートはと言うと切々と自分の気持ちを歌い上げてる←この辺りがナルシスなのよねぇ…
この場面で一番好きなのはシシィがベットから起き♪確かにそこにいるの、あなた〜と歌い上げる所。
歌った瞬間、去ろうとしているトートが止まるんですよ。
それは現世に未練があるように。
そう、サエちゃんのトートって死なんだけどどこか人間っぽいんです。
ただの冷酷な存在だけではなくてどこか気持ちが通っているような。
そんな一面を垣間見れるこの場面、胸がつまります。
第5場 謁見の間
フランツ若っ(驚愕)その印象しかないなぁ…でもガイチの役作りは立派です。
ただ若いんだけじゃなくて自分の思うとおりに政治が出来ない歯痒さも感じられますから。
死刑囚の母が連れ去られる所の表情なんか苦悩で見てて痛いほど。
母の意見は絶対で、フランツへの教育の中で畏怖する対象にまでなっていった絶対君主、ゾフィ。
その迫力が美々さんにはありましたね(初演の朱さんに近いかな?)
まわりのおじさま連中は実際にいそうでちょっとリアル。
って言うか磯野さんはおじさんにしか見えない(いいのか悪いのか…)
初演ではちはる兄貴がやってた役は楠恵華(音がとっても低いので覚えてました)
これがなかなか低音が出てて上手かった!「愛しき人よ」の時も上手かったもんな〜
そうそう、書き忘れる所だった。るいちゃんのリヒテンシュタイン。
初めはミスキャストかと思ったけど(何せ初演がリンゴさんだったから…)
るいちゃんって可愛いだけじゃなく格好いい(大人の)女性もできるんですね。
見た目も細かな仕草もキリキリっとしてとっても素敵でした。あの姿勢はすごいです。
女官のみっぽう(美鳳)は髪型が好きです。
所で、皇帝ってお見合いがあること知らなかったのかな?
そんな演技だったんですけど高嶺フランツはそんなそぶり見せてなかったもので少し新鮮でした。
第6場 バート・イシュル
重い作品の中でもコミカル部門ですね。
こういうのが合間に入るから(キッチュとか)苦しくならないで見れるのかもなぁ。
それぞれの動作がまたコミカルで。
エリザベートが何気なく鹿の角(ってあれ置物なんだよね…爆)渡す仕草なんかホント普通で、
いい意味の何も気にしてなくて、そんな自然な所にフランツは惹かれたんだと思います。
周りは皇帝、という立場で接しているけど彼女はそうじゃない。
この人となら本当の自分をさらけ出せると思ったのでしょうね。
シシィがオレンジを追っかけてパパと家庭教師が大慌てで戻れと手を回している所がたまらなく好き。
そしてその後でパパとシシィだけウィンクしてるんですよね♪(ニヤリといった感じで)
…実はパパもこんな席は退屈なんだよといっているかの様に。
そんなほのぼのしたやり取りがほっとさせます。
第7場 天と地の間
今気付いたけどこの場の名前面白いな…トートが2人を見ているからそうなってるんでしょうか?
ま、いいとしてエリザベートとフランツの語らいの歌。
ここでなるほどぉと思うのはフランツがプレゼントしたネックレス。
エリザベートがもらって一言「…とても重い」
これはそのものが立派だと言ってて実は皇后の責務の重さを暗示させているのだと思います。
その重さが耐えられなくなって旅に出たりする訳で、もうこの時点で未来への不安が垣間見れる。
(こういう些細な事にぐっとくるmahina)
第8場 結婚式
なんと暗い結婚式(爆)これがエリザ世界なんですよね。喜ばしい出来事でも決して明るくは作らない。
どこか不安が見えるように演出されてて。
もちろん司祭がトートだからなんだけど(笑)彼はどこでも突然現れて
その時の人を引っ掻き回していくから面白い。
それも自分は深く関わらないからね(あくまで引っ掻き回すのみ)
第9場 舞踏会
ここは歌が難しそう〜いつも誰がどこで歌っているのか分からないんですよね…
あ、でもみっちゃんはバッチリ。
あんな笑顔で♪かまわないさ〜なんて歌われたら存在感ばっちりですよ(笑)
…すみません、ここで体力が尽きました。
あと何度か観劇予定なので、そこで続きは記して行きたいと思います…
場面ごとなんで無謀過ぎ(撃沈)