−理屈抜きで−
ふと涼やかな夏の風が部屋に入ってきた。
そんな事も気に留めず、隣でカメラの手入れをしてる君。
こんな近くにいるのに そんな小さな黒い物体にとられたようで ちょっと面白くない。
男は頼られると嬉しいものだけど、君は一人で生きていけるだけの強さも持ってるから
僕は時々不安になる。
君の隣にいてもいいのだろうか。
それを確認したくて少しずつ間隔を縮めているのに君は一言 「暑いからこないで」
…結構へこむ。
でもこれは恥ずかしさ故の裏返し。
この場合はさりげない態度よりも言葉が有効。
「――さん、君の隣にいたいのに理屈がいるとは思いませんが」
「…暑いからやだ」
「そんなにはくっつきませんよ」
「集中できない」
「何もしませんから」
「っ……」
僕は知ってる 君は初めからそんなに嫌がってないし、最後は必ず折れる事を。
ちょっと卑怯な方法で不安を消して気もひけるけど
やっぱり
理屈ぬきで 君の隣は僕だけのもの。
だってこの近さじゃないと疲れて眠りに落ちる君を支えてあげられないから、
なんて考えは君には絶対に言わないけど。
06.9.12
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写真家彼女シリーズ。創作ではお初です。
思っていたより彼が幼くなってしまった…年下にしようかしら(決めてない)
彼女側からの視点も書きたくなりました。
material by ふるるか